2008年10月31日金曜日

トンでもない出来事!!地球人ピンチ!!

一人で、英語教育の幼稚園から帰宅することに慣れ、バス通園にも、問題なく適応できた地球人に、ある日の午後、とんでもない出来事が、勃発した。そのニュースは突然、日本語文学系の助手さんから私に、もたらされた。

「先生(私)、大変大変!!政府の政策に反対しているデモ隊が、淡水川に架かっている、全ての橋を占拠して、台北との往復は通行不能に陥っていますよ。今日は1日中通れません。息子さん大丈夫ですか???」と知らせてくれたのだ。

大学構内の幼稚園通園中は、度々、外国語文学院の建物の中を、ウロウロしていた地球人。先生方も、学生達も、助手さんも、地球人が色々な言葉で対応するのが面白くて、当時、皆の格好の遊び相手になっていた。そして、地球人がその後、英語教育の幼稚園に入園、独立訓練中であることは、この日本語文学系の中では、当時、かなり話題になっていた。

当時、私が教えていたこのカトリック大学は、台北の郊外にあり、必ず、淡水川に架かるどれかの橋を渡らなければ、台北からは来られない。勿論、大学の裏に住んでいた私達や、保母さんの家にも、戻ることができない。

時計を見たら、正に、幼稚園の終わる時間だ。私は焦った。そして、すぐに幼稚園に電話をかけた。事情を話し、取りあえず地球人を、幼稚園に引き止めておいてほしい、と願ったからだ。「もしもし、、、。テツの母ですが、、」と名乗るのももどかしく、地球人のことを訊くと、「ああ、もうさっき、帰りましたよ!!」という無情な答え。 地球人は、今時の子供のように、携帯電話など持っていない。

「さてどうするか??」と一瞬頭が真っ白になり、思考が纏まらない。地球人は、手帳を毎日首から掛けて出かけていて、中には、家の電話番号、夫の会社の電話番号、夫の兄弟の会社の電話番号、大学の助手室の電話番号などが、緊急時の連絡先として、書いてある。

「地球人はそれに、気づくだろうか??」勿論、非常時にはどうするかも、教え込んである。しかし、、、何しろ初めてのケースだ。私は本当に心配だった。「どうか、気づいてくれますように!!」と神に祈った。

幼稚園の付近から乗るバスは、台北橋と言う橋のたもとにとまり、そこで地球人は一度、バスを乗り換えなければならない。我が家から歩いて3分ぐらいのバス停に止まるバスに、、、、、。その乗り換えるべきバスは、今は運行中止になっている。乗り換え慣れているとは言え、あまり土地勘のない場所で降ろされた地球人は、このバスの運行中止を聞いて、どうするんだろう???と心臓が、ドキドキしてきた。

「台北橋までは、もうそろそろ着く頃だ。手帳に書いてある電話番号に気付いたら、多分、一番先に心細くて掛ける電話は、家だろう。とにかくすぐ、家に戻らなくちゃ!!」と私は、慌てて家に戻った。今、私がいる郊外からは、全ての橋が、デモ隊に占拠されている以上、タクシーでも、バスでも、駆けつけて助ける手段はない。

急いで家に戻り、地球人からの連絡を待った。夫に電話連絡をしたが、生憎出ない。多分まだ知らないのだろう。私はオロオロしながら、とにかく電話のベルをまった。一分が物凄く長く感じた。

それから15分ぐらい経った頃だっただろうか。ようやく「リ~~ン!!」と電話のベルがなった。電話の傍らに張り付いていた私は、すぐに受話器をとった。「もしもし~~~!!」待ちかねていた地球人の声だ。

なんだか、くぐもった声と喋り方だ。「大泣きをした後なんだろうか。さもありなん!! さぞ、心細かったことだろう!!」とこっちも胸が一杯になり「ねえ!!今、何処にいるの??大丈夫!!」とたたみかけるように訊いた。その質問に対する地球人の答えを聞いて、今度はあまりの展開に、度肝を抜かれた。

「あのねえ!お家に帰るバス、今日は出ないんだってさ!!ここに居るオバちゃんが教えてくれた。だからさ、パパに電話したんだけど、居ないんだよね。マイクアシュー(夫の次の弟、ちなみにアシューはおじさんの意味)にも電話したんだけど、マイクアシューもいなかったから、アフェンアシュー(夫の次の次の弟)に電話したんだよ。」

「アフェンアシューは居てさ、台北橋のバスの駅に居るって言ったら、すぐ行くから何処にも動くなって!!今、迎えに来てくれるのを、まってるんだけどさ、ママが心配してると思って電話した。僕、おなか空いちゃってさ、だから今、パン買って、食べながら待ってるの、、、、。」という報告。「ああ!!パン食べながらだから、くぐもった声で、もぐもぐしてたんだ、、、、。」と緊張がイッキにほぐれた。

地球人は続けて、「だからさ、今日はお家に帰れないから、アフェンアシューの家にお泊り。明日の朝、アシューメー(弟の嫁をこう呼ぶ)にお弁当のサンドイッチを作ってくれるように頼んだから、ママ心配要らないよ。又、アシューの家に着いたらすぐ電話するね!!」と全く屈託のない声で言った。私は、全身の力が抜ける程、安心すると同時に、まだ幼稚園児なのに、地球人のイザという時の行動力と、決断力の素晴らしさに、感動すら覚えた。(これは親ばかかも、、、、。)

「毎日、地球人自身の為に、苦しい訓練を続けてきて、良かった!!」と、私は改めて思った。この日の地球人の、完璧ともいえる行動力と、判断力と、思いやりの心を見せられた私は、その後、この地球人に、ほぼ絶対の信頼を置くことができた。電話で、おっとりと報告する地球人に、思わず嬉しくて、「スゴ~イ!!よくそこまで考えられたねえ!!」と大いに、褒め称えてしまった。

アフェンアシューの家に着いてから、早速、「無事着いたよ!!」と電話を掛けてきたことは、言うまでもない。私は最悪の場合、台北の警察署に、保護を依頼することまで、決心していた。他人にご迷惑を掛ける前に、この緊急時を救ってくれた、弟夫婦に心から感謝した。こうして、地球人は両家の家族や、多くの人々に見守られ、すくすくと育って行った。

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