地球人の英語の実力を養成するのに、かなり役立ったと思われることに、遠距離通学がある。その頃から地球人は、非常に時間の配分を上手にすることを、考えるようになり、効率よく、家の手伝いや、自分の身の回りのことを、片付けていった。
汽車の中で宿題をしたり、図書館で借りてきた分厚い本を読んだり、ラジコンの組み立てに関するガイドブックを読んだりして、計画的に時間を使うのが上手くなっていった。その為か、地球人の英語の読解力はかなり強く、先生からお褒めの言葉をいただくようになった。この読書の習慣が、その後の地球人の語彙補足に、大いに役立ったことと思う。
独立訓練は、日本への一人旅や、学校への遠距離通学の経験、毎日の労働による金銭感覚の養成などの継続で、5年生ぐらいまでには、ほぼ完成を迎え、大人と同等程度の、深い発想ができるまでになっていた。私は、カナダの留学先の学校見学にいったら、地球人の名前で学校の傍の銀行に口座を開き、チェックも自分で切らせ、すべての生活の管理を地球人に任せることにした。
両親の信頼を、ここまで勝ち得るまでには、地球人も本当に数々の失敗をした。デモ隊の橋占拠の問題は、彼に責任はないが、幼稚園児なのに、その時の行き届いた発想から、その後は、何か失敗しても、自分で何とかできるだろう、と私は安心していた。
色々な失敗の一つは、まだ郊外型の家に引っ越す前にしたことで、バスの中でぐっすり眠り込んでしまった地球人は、家のバス停を乗り過ごし、そのバスの終点まで行ってしまったそうだ。その時は生憎、財布を忘れてお金がなく、地球人はバスの路線沿いに40分程歩いて自宅までもどったそうだ。(まだ6歳ぐらいの時)
郊外型の家に引っ越した後では、学校帰りの汽車の中で寝込んでしまい、ハッ!!と気がついたときは、降りる駅で、慌てて降りたら、学校のカバンを車内に置き忘れ、駅長室に交渉に行ったそうだ。
駅長さんに、「明日までに取り戻して上げる」と約束してもらい、この問題も自分で解決して家にもどった。この汽車は200キロ以上も離れたところが終点で、次の日、戻りの汽車で、地球人のカバンは約束どおり、運ばれてきた。その日1日、地球人は教材がなく、学校に手ぶらで行き、授業を受けた。
とにかく、そそっかしいのは、DNA。とても親として、大きなことは言えない。祖母からも何も言えない。何しろ、我が肝っ玉母さんは、旅館のお客さんが、「あの~~!!これ~~!!」とさしだす食べ物はなんでも、「まあまあ、恐れ入ります!!ありがとうございました。」とお礼を言ってうけとってしまい、お客さんが真っ赤になって、「2~3日、お宅の冷蔵庫で預かっていただけませんか?」と小さな声で気の毒そうにいうと、「あら、まあ、ゴメンなさい!!グワッハッハ!!」と自分は豪快に笑い飛ばすような、おっちょこちょいな人だったから。
地球人の失敗は、これとは違う、可愛いもの。でも失敗しても、一瞬で立ち直るのは、さすが濃いDNA。事が起きてからの判断力は、色々な失敗を経験し、益々磨かれていった。海外に留学すれば、こうした判断力は、必ず必要になってくる。
早くから言葉だけでなく、こうした失敗を想定した、独立訓練を実施したのも、すべて、将来の地球人の、的確な判断力と強い精神力を磨く為。この頃、私はすでに、地球人の生活力には、かなりの自信を持つことが出来た。



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