2008年12月20日土曜日

高校の卒業式と家族旅行

地球人はこの中学高校で、色々なことに挑戦し、5年の歳月を過ごした。そして、勉強でも、留年することもなく、全ての単位を無事取得して、卒業式を迎える日が近づいた。勿論、卒業式に参加するため、私は海を渡った。兄夫婦も、息子(地球人の弟)を伴い、日本から私と一緒にカナダに向かった。

途中、まだ、卒業式までには間があったので、我々はまず、カナディアンロッキーに向かった。もう、この頃には、かなり旅なれていた兄は、カルガリーに着くとすぐ、レンタカーを借りて、バンフに向かった。ここでホテルに一泊し、カナディアンロッキーやコロンビア大氷原などを見物した。

6月初旬のカナディアンロッキーは、瑞々しい緑と、雪を抱いた雄大な山々、石灰の混ざった綺麗なマリンブルーのレイクが、次から次へと現れ、息を呑むような美しさだった。道には、様々な動物が悠然と現れ、大自然を謳歌しており、車が近づいても恐れる様子もなかった。

以前から、写真などではカナダの大自然を見ていた私も、本当に目の前の光景は、神秘的な美しさに満ち満ちており、感動の連続だった。出てきた動物は、鹿、熊、狐、アライグマ、リス、エルクなどなど、、、、。のんびりと車を避ける動物達を見て、別世界に迷い込んだ気持ちがした。

カナディアンロッキーの旅を堪能し、我々はモントリオールに向かった。市内のホテルに宿をとり、地球人の卒業パーティに参加した。日本の卒業式とは全く違い、テーブルがセットされたホテルのディナーショーのようなスタイルで、卒業式が始まった。先生方も、奥さんやご主人を伴い、タキシードやロングドレスを身にまとい、優雅に現れた。教鞭をとっていた義弟夫婦も、勿論、正装して現れた。

映画で見たとおり、男の子はタキシード又はダークスーツ、女の子はロングドレスやカクテルドレスで、それぞれのパートナーにエスコートされ、会場に入った。父兄たちも皆正装で、本当に華やかな雰囲気だ。バンドが入って、そこここに風船が揺らめき、テーブル番号がわかるようになっていた。学生達はまだ父兄とは別々に座っており、いよいよ、卒業式が始まった。

司会に促され、校長先生の挨拶など、型どおりの進行ぶりだった。しかし、ホテルの広い会場で、バンド付きという設定は、厳かな雰囲気とは程遠く、本当に自由で、楽しい雰囲気だった。いよいよ卒業証書の授与が始まった。勿論アルファベット順でAから始まる。地球人の姓はYで始まるので、まだまだだ。

一人一人名前を呼ばれた学生が中央のステージに上がり、校長先生から卒業証書を授与されている。厳しい淘汰の末、8クラスで始まったクラス編成は、5クラスにまで、減らされていた。会場の全ての人々は、無事、卒業まで頑張った学生に、卒業証書が手渡される度に、拍手と喝采を送り、お祝いした。かなりして、「そろそろ地球人の番では???」と思ってみていたら、案の定、名前が呼ばれた。

私はその時の感動を、一生忘れないだろう。 司会者の読み上げるファーストネーム、(TETSU)という正しい発音の、甲高い声が響いた途端、地鳴りのような声援と、拍手と、喝采が、ひときわ高く会場を揺らした。参列した学生の殆どが、親しみの篭った目で地球人を見上げ、私達の方にまで目を向けて、大いに祝福してくれている。泣き虫の私は、思わずジ~~~ンとして、又、目頭をぬぐった。

ここまで漕ぎ着けるには、地球人なりの、大変な日日があっただろう。支えてきた私も、一体何度太平洋を越え、遥遥と通ったことか。教鞭をとっていた大学の、学期の合間に、突然心配になって、滞在わずか4日ぐらいで、往復したこともあった。台北から、24時間を越すフライトは、かなりきつく、子育ても、本当に、体力勝負だな、と何度も思ったほどだ。

感傷に浸っているうちに、卒業式は無事終了し、ライトが薄暗くなり、ディナーが運ばれ始めた。ミラーボールも回り始め、バンド演奏が始まった。「ムードが出てきたな!!」と思った途端、それまで座っていた学生が、ほぼ一斉に動き始めた。「何が始まるんだろう??」と見ていると、ダンスフロアーに次々とペアが現れ、踊り始めた。

程なく地球人が現れて、「Shall we dance!!」と私に手を差し伸べる。「エッ!!本当にやるの??」と大いに照れたが、初めて息子のリードで、ダンスを踊った。欧米の学生は、卒業式の後の、最初のダンスは、男の子は母親と、女の子は父親と踊るのが慣わし。皆、楽しそうに踊っている。「こんな自由で伸び伸びとした中、随所に感動と思い出がちりばめられた卒業式もいいな!!」と心から思った。

卒業式も無事済み、翌日、地球人も交え、我々はナイアガラへの日帰り旅行を敢行した。朝7時ごろの飛行機でトロントへ。そこですぐレンタカーを借り、ナイアガラへ。約3時間半ぐらいナイアガラで遊んで、又、午後の便(確か4時半ごろの便)でモントリオールに戻るという強行軍だ。

ナイアガラの滝は噂どおり、物凄い迫力だった。ドウドウとうなりをあげて落下する水流。舞い上がる水飛沫。木の葉のように渦の中をさ迷う、客船。あのマリリンモンローが(ゴメン。又古くて、、、)艶然と笑っていた映画、「ナイアガラ」の壮大さそのもの。私達は早速レインコートを着て、客船に乗ることにした。エレベーターでかなり下まで降り、夏だというのに肌寒い。

客船が滝の真下を通過するときには、カナディアンロッキーの山々の迫力とは、又、違った物凄さがあり、恐ろしい魔力で、滝壺に引き込まれるような、不安すら覚えた。本当に大自然の中の人間は、小さな小さな生き物に感じられ、崇高な美に感動した。

後日又、2度目に訪れた時には一泊し、ホテルの部屋から、ライトアップされたナイアガラを見て、又別の美しさに感動したが、やはりカナダ旅行では、一度は訪れる価値がある所だと思う。まあ、びしょびしょに濡れることがお嫌いな方には、乗船はお勧めしかねるけど、、、、。

この時、どういうわけか、トロント空港への帰り道で、兄と地球人が焦り始めた。どうやら道を間違えたらしい。飛行機の時間は刻々とせまり、切符はもう買ってあるから、なるべくなら間に合わせたい。いつもはおっとりの地球人も、さすがにかなり緊張。空港に着いて、私は皆の切符を預かり、チェックインに向かい、地球人と兄はレンタカーを返しに、、、。

すでにあと残り20分を切った頃、ようやく全員のチェックイン終了。二人が戻るのを、イライラしながら待って、慌しく走って遠くのボーディングゲートへ。我々が機内に入ると同時に、入り口がバタン!!

幸い国内線だから、これでよかったものの、危ない綱渡りで、飛行機の中では、全員グッタリ。席は勿論、全てばらばらに座らせられ、乗れただけでもラッキー!!地球人の卒業式を挟んだ家族旅行は、こうして、波乱のうちに幕を閉じた。

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