旅狂いの話題をしばらくお伝えしたが、地球人はこの頃、遊んでばかりではなかった。私の学費負担も学生ビザで勉強していた大学までで、大学院では、学費、生活費、遊びの費用を捻出するため、論文をかなり書き、ケベック省の奨学金を卒業まで貰い続け、教師や通訳のアルバイトもし、経済的にも独立していた。
これは単に地球人だけの問題ではなく、アメリカ、カナダの学生は、独立心が強い。大抵アルバイトしたり、休学して学費を貯めてから復学したりして、自分の生活を賄う学生が多い。勿論中には、完全に親掛かりの学生も居るが、少ない。
ただ、私の心配は、倹約しすぎて栄養失調になってはということだった。余計なお節介心を起こした私は、前にも触れたように、大学院生時代の5年間、自主的に3週間分のお弁当屋開業を申し入れ、地球人は3週間おきに、凄まじい量の空のお弁当箱を持ち帰るようになっていた。
又、自分の趣味を家族で楽しむことが好きな地球人は、いつもコンサートなどが開かれる度に知らせてきた。その度にはるばる250キロ離れた、ケベック市に応援かたがた、遊びにいった。皆様もよくご存知だと思うが、ケベック市には、古い城砦をホテルに作り変えたシャトードフロントナックというとても綺麗なホテルがある。
ケベック市はモントリオールに比べ、あまり大きくないコージーな町だが、夏ともなると、市内を馬車が走り、ホテルのテラスでは、大道芸人が技を披露し、音楽がながれる素敵な町になる。
ケベック市はフランス文化を色濃く残し、町のカフェは道に張り出し、正に私の大好きな絵画、ゴッホの「夜のカフェテラス」そのもののたたずまい。(話はそれるが、遺伝子とは凄い。大学時代、地球人のモントリオールのアパートに行ったら、部屋にこの「夜のカフェテラス」のコピー画が飾ってあった。地球人も特にこの絵が好きで、部屋の飾りに買ったのだとか。かつて一度も話したことがないのに、、、。ゾ~~~ッ!!)
対岸の島との間をフェリーが通い、その船上から眺めるシャトードフロントナックの景色は最高だ。ここから3時間程いったところに、鯨見物やラッコやアザラシの泳ぎも見られる観光名所がある。私は地球人がこの地で勉強している間、何度このコージーな町を散歩したことか。
地球人が日本に拠点を移してからは、とんとご無沙汰しているが、今思い出すと本当に懐かしい景色。町のそこここに似顔絵画家が出ていて、画商も多い。
ここには博物館もあって、以前とても面白い経験をした。博物館に入るには、大人、学生、子供の3種類の料金があるのだが、当時私は政府のフランス語無料学習コースに入っていた。ただ面白がって、「今、移民してきて、フランス語を勉強中なの。学生料金でいい??」と質問したところ、「OK!!」とあっさり何も見ないで、学生料金。このおば(あ)さんがですよ、、、、。
大人の半分以下の料金で入場できた私は、あまりの大らかさにビックリ!! 普通、「じゃ学生証でも見せて、、、、って、どこでも言うでしょう??」 ケベック省では、フランス語教育を本当に大切にしているが、特にケベックシティではフランス文化を守るプライドがモントリオールよりもかなり強く、殆どの人はあまり英語を話さない。
博物館の入場券の出来事は、しみじみ、「ケベック省の首都だなあ!!」と感じさせる忘れられないエピソードだった。



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